茅ヶ崎の南側には、地元由来の名前がついた通りがたくさんあります。
加山雄三さんとその歌声が脳裏に浮かぶ 雄三通り、桑田佳祐さん所縁でサザン神社もあるサザン通り…
他にも色々ありますが、『ラチエン通り』と聞いて、ピンと来る方はどのくらいいるでしょうか?
不思議な響きがする この道は、地元民にも親しまれるだけではなく 実は『烏帽子岩の絶景へと続く道』でもあるのです。
今回はこのラチエン通りの風景を、お散歩目線でご紹介します。
ラチエン通りとは
この道は、国道1号線『松林中学校入口』から 海沿いの集合住宅・パシフィックガーデンまで、まっすぐ南側へと伸びています。
ちなみに、このパシフィックガーデンは1988年に完全廃業となった『パシフィックホテル茅ヶ崎』の跡地に建設されていて、上原健さんや加山雄三さん、小桜洋子さんが共同オーナーとして建設・開業した 昭和の時代には斬新とも言われた、有名なホテルです。
名前の由来と沿革
ドイツの貿易商『ルドルフ・ラチエン』の別荘が1932年に建てられたことにちなんで名前が付けられたラチエン通り。
この道沿いに別荘が建てられていたそうで、道筋に桜並木を作ったことから当時は桜道とも呼ばれていたとか。
※ちなみに現在は、国道1号線の1本南側に 東西に走りラチエン通りと交差する道が『桜道』と名付けられています。
ラチエン通りは広いとは言えない道路で、ところどころに『ラチエン通りは歩行者優先』という看板が立っています。
車2台がすれ違える程度の道が長く続きます。
ラチエン通りのシスター
サザンオールスターズが 1979年に発表した曲『ラチエン通りのシスター』は、桑田さんの初恋の相手がこの通りの近くに住んでいたことから生まれたそうで。
よくよく歌詞を聞いていると、確かに誰かを思う歌ですよね。
サザンオールスターズ『ラチエン通りのシスター』映像
【YouTubeチャンネルより】
ラチエン通りの風景
さあ、それでは 国道1号線から南下していきましょう。
国道1号線~若松町
まず、パッと目につくのは TOTO茅ヶ崎工場。
トイレでよく見かける『TOTO』の文字。
TOTOは東洋陶器の頭文字 Toyo Touki の略で、世界最大のトイレメーカーだそうです。
松林中学校入口の信号からこの踏切までは 割と広めの道なのですが、踏切を渡ると 一気に道幅が狭まります。
住宅街が続き、1本奥にスポーツクラブがあったり 車のリペアや診療所 小さな店舗が現れる生活道路のような風情の通りです。
若松町~松が丘
踏切から南下していくと、『桜道』と交差した若松町の信号にあたります。
古い民家やそんなに古くはないマンションが並び、小さなお店もありますが 住宅街といった印象の方が強いですね。
そんな中で目を引くのが『ラチエンスムージー』です。
ラチエンスムージー
まだ新しい、ちょっとおしゃれな外観です。
この日は、残念ながら休業日のようでした。
メニューは、スムージー アサイーボウル ピタヤボウル スーパーフード…など、かなりヘルシーですね。
茅ヶ崎はおしゃれなお店がたくさんあるぞよ!
— えぼし麻呂 (@eboshimaro) October 23, 2020
心と身体が元気になる食事ぞよ^_^#茅ヶ崎 #ラチエンスムージー#アサイーボール pic.twitter.com/W6D4iSL9tx
湘南ベルマーレとも コラボすることがあるようです。
営業時間
平日・祝日 11:00〜16:00
土曜・日曜 10:00〜16:00
(店内LO 15:30 テイクアウトLO 15:45)
休業日
毎週月曜日、第1&第3火曜日
ラチエンスムージーを過ぎて、そのまま進んでいくと 昔ながらの精肉店『香川屋分店』があります。
もう少し西側の、南湖にお店がありますが、そちらが本店なのかな?
香川屋分店
ここはメンチカツが美味しい!と、地元では人気です。
何でも『開高健が愛したメンチカツ』だそうで。
『湘南名物』の看板も出ています。
わかめの入った『サザンコロッケ』も人気。
土曜日は、メンチカツサービスデーなので 行列もできますが、散歩がてらの食べ歩きもいいでしょう。
営業時間
月曜~土曜 9:30〜19:00
休業日
毎週日曜日
ラチエン通りには、ガス灯のような形をした街灯が立っていて 『ラチエン通り』と書かれた看板にも味があります。
車も人も 自転車も、ゆとりをもって通りましょう。
松が丘~菱沼海岸
さあ、そのまま進むと今度は『鉄砲道』と交差する松ヶ丘の信号から、海沿いの菱沼海岸へと続く道になります。
ここは、散歩をしながらも楽しめるスポットがいくつか出てきます。
イルドショコラ
途中には、老舗のショコラティエでもある 洋菓子店『イル・ド・ショコラ』があります。
鎌倉や、茅ヶ崎ラスカにも店舗はありますが、こちらが本店です。
ピンクの建物がかわいいお店です。
ここのお店の『シェルパイ』は、中村獅童さんがTV番組で紹介したことから有名になって、一時は販売が追い付かない状況になったこともあったんですよ。
可愛いお菓子をいただきました〜
貝の形で可愛い💕
茅ヶ崎のお店なんだって#シェルジャン #shelljean #イルドショコラ茅ヶ崎 pic.twitter.com/vTfm5mBkHh— 近藤澄代 (@sumiyoo) May 26, 2021
オンラインページでも購入できます!
営業時間
10:00〜18:30
休業日
毎週水曜日
絶景が拝める場所
そして このラチエン通りで特筆したかったのは、海に出る少し手前の風景です!
防砂林の松並木の隙間から、有名な烏帽子岩が正面に見えるのですが、周りの建物などとの対比と錯覚で、烏帽子岩がとても大きく見えるのです!
写真にすると、伝わりにくいなぁ…
見えますか?通りの向こうに見える軽トラックの奥、三角の烏帽子岩が。
(アンドロイドの限界を思い知りました…)
海岸線から約2km先に ポカリと浮かんでいるような烏帽子岩が、道の間からこのように大きく見えるのは 錯覚とはいえ不思議です。
あまりに巨大に見える烏帽子岩は『茅ヶ崎七不思議』の1つとも言われているとか?
『お化け烏帽子岩』は、通りから正面に見える海の沖合2キロほどにあろ烏帽子岩が視覚的効果で離れるほどに大きくみエル現象。
防砂林や街路が額縁の役割を果たし錯視が起きていると科学的に解説されている。
引用:湘南経済新聞 2017.02.17記事より
ここ、是非 徒歩や自転車で散策して、実際に目で見ていただきたいしカメラに収めていただきたいです。
遠くに見える烏帽子岩に誘われるように進んでいくと、右手に『開高健記念館』があります。
開高健記念館
前出の『香川屋のメンチカツを愛した』開高健さんは、有名な小説家ですね。
フィクションやノンフィクション、随筆、趣味だった釣りの体験記など、色々なジャンルでの執筆をされています。
『フィッシュ・オン』『オーパ!』は、読んだことがなくても、その表題を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
その、開高健さんが過ごしたご自宅が 記念館になっています。
重厚感ある門構えです。
開高さんと奥様の名前が並んだ表札があります。
開館時間
10:00〜16:30(入場は16時まで)
開館日
毎週 金・土・日曜日
展示替えのため、臨時に休館することもあります。
入場料
200円
・隣接する『茅ヶ崎ゆかりの人物館』との共通観覧料は300円
・18歳未満及び高校生以下は無料
文学好きの方、是非寄ってみるのもいいでしょう。
ゴルフ場
さあ、海も間近になって見えてくるのが『GDO 茅ヶ崎ゴルフリンクス』です。
この周辺は海岸の防砂林の流れもあるのか、松の木も多くみられる光景が広がってきます。
このゴルフ場の規模は大きくなく、9ホールのパブリックコースだそうです。
周辺は全くの平地なので、海に向かって打ち下ろし…という状況にはなりませんね。
でも、富士山の見えるコースで 潮風を受けながらのプレイは気持ちがよさそうですし、スニーカーでも大丈夫なようなので、初心者の方にもハードルが低く楽しめそう。
予約は空きがあれば当日でも大丈夫のようですが、曜日によって料金は変わりますので HPでご確認ください。
クラブハウスの営業時間は、6:30~17:00です。(季節により変動もあり。)
そして、海岸へ
箱根駅伝の3区・8区として有名なスポットにもなっている海沿いの道、国道134号線に突き当たると 防砂林を抜けて 菱沼海岸に到着します。
サーフスポットとしては、『茅ヶ崎・パーク』と呼ばれて、Tバーとよばれるヘッドランドがあるのが特徴です。
このあたりは離岸流も発生しやすく、サーファーや 特に夏の時期の海水浴客には注意が必要な場所でもあります。
遠くに三角に浮かんで見えるのが、烏帽子岩です。
海と烏帽子岩を正面に 左手には江の島、天気がよければ 右斜め後方に富士山を臨むことができる絶景です。
ここまで歩いてきた疲れも、きっと この景色に癒されるはず。
この海岸沿いには、広いボードデッキが広がっていますから 飲み物を持参してひと休みしましょう。
季節によってはこのデッキ部分でBBQをする人も多く、にぎわう場所でもあります。
まとめ
さて、松林中学校から菱沼海岸まで 2Km強、普通の徒歩だと30分ほどのラチエン通りの道のりを お散歩目線でご紹介しました。
茅ヶ崎駅から東側に若干離れているのと、雄三通りやサザン通りに比べて地味さはあるかもしれませんが、茅ヶ崎の日常が見える通りでもあります。
機会があれば、ゆっくりと 景色や店舗・施設を見ながらお散歩をしてみてください。
新しい発見もあるかもしれませんね。