5月から6月にかけて白い花が咲く『どくだみ』。
庭や道端 公園など いたるところで見られる、おなじみの野草です。
放っておくとどこまでも繁殖し、抜いても地下茎の一部が残っているだけでまた生えてきて 独特のニオイとともに敬遠されることが多いのですが、昔から薬用植物として重宝がられてもいました。
漢方では『十薬』と呼ばれるどくだみ。
たくさんの効能がある…という意味ですね。
その成分はイソクエルシトリンというそうで、そのエキスは漢方として利用された他、入浴剤や皮膚トラブルなどのスキンケアに使えたり、カリウムも豊富できんぴらなどの食用にもなるとか!
お茶としてもよく飲まれていますね。
どくだみの匂いの素は揮発性なので、干したり加熱するとほとんど匂わなくなります。
また成分はアルコールに溶けやすいので、生の葉をアルコールに浸すとそのアルコールに成分が溶けだして、虫刺されやかゆみ止めになるチンキの素も作れるんです。
今回はおうち時間でできるどくだみの利用法として、どくだみチンキと どくだみ茶を作ってみたので ご紹介します!
どくだみの花の季節が終わっても、チンキやお茶を作っておけば しばらく活用できますよ。
どくだみチンキの作り方
【準備するもの】
・どくだみの花
・ホワイトリカーや焼酎など30度以上のアルコール
・保存用のガラス瓶
【作り方】
1. 保存用のガラス瓶を煮沸消毒、または 除菌アルコールスプレーなどで消毒する。
2. 洗って汚れや虫を取り除いたどくだみの花を 新聞紙などに広げて、乾かした後で保存用の瓶に詰める。
3. ホワイトリカーなどのアルコールをひたひたになるくらいの量を瓶に注ぎ、しっかりふたを閉めて日の当たらない場所で保存する。
(時々 ふたを閉めたまま、瓶を振るなどしてください。)
4. 1週間以上経って、花弁が琥珀色になってきたら出来上がり!1か月以上置くとさらに効果が高くなります。
作った直後はこんな風に、瓶の中の白い花がハーバリウムみたいで とてもカワイイのです!
ちなみに、私は今回初めて知ったのですが、白い花びらのような部分は 実は花ではなく『総苞片』といわれているものです。
実際 どくだみの花と言われるものは 大きなめしべのように突起している黄色い部分に 小さくたくさん集合しているのだとか!
この集合している小さな花のひとつひとつには、花びらはないそうです。
チンキの使い方
かゆみ止め・肌のケア
・2~4倍に精製水で薄めて、スプレー付きの容器に入れてシュッとひと吹きしたり、コットンに含ませて塗布します。虫刺されやかゆみ、あせも、擦り傷 切り傷のケアとして使えます。
・精製水8:どくだみチンキ2の割合で薄めて化粧水として使えます。
もともと保湿性がありますが、グリセリンを混ぜてみてもいいでしょう。
入浴剤として
・原液を浴槽に入れ、入浴剤として利用できます。
※いずれの使い方も アレルギーが出る場合もあるので、パッチテストをしたり 最初は少量ずつ試しながら使用してくださいね。
どくだみ茶の作り方
【作り方】
1. 花が咲くころに根元の方から刈り取って、風通しのいい室内でつるして1週間ほど乾燥させます。
2. 茎がぽきっと折れたり、葉がパラパラと落ちるくらいまで乾燥したら、細かく切ったり砕くなどして保存します。
3. お茶として煮出す場合は沸騰させず、弱火でじっくりと煮てください。完成したら、すぐにどくだみを取り出してください。(成分を再吸収してしまいます)
また、成分が変わってしまうので、鉄製の鍋は避けた方がよいそうです。
※どくだみだけだと匂いが気になるという場合は、他の茶葉と一緒に煮出すと香ばしく飲みやすいお茶になりますよ。
カフェインが含まれず寝る前にも飲んでOK。これも体の調子を見ながら、少しずつ飲み慣らせるようにしましょう。
出来上がり!
どくだみチンキとどくだみ茶が、出来上がりました。
チンキは茶色く変化します。
チンキ
精製水で希釈して スプレーボトルに入れ、蚊に刺された後にシュッとスプレーしたり、頭皮がかゆい時にシャンプー後 地肌に吹きかけて軽くマッサージをしてみました。
確かに、かゆみは軽減されて 匂いは気になりませんでした。
これは、夏場には活躍しそうです!(あくまでも、個人の感想なのですが。)
入浴剤として使う時は 直接浴槽に投入せず、粗塩に含ませてバスソルト的な使い方をしてみました。
あせも対策にもいいという声も聞きますよね。
どくだみ茶
乾燥した葉と枝をザクザクと切って 鍋で煮出しましたが、そのままでも それほど癖やにおいを感じずに飲めました。
でも、ホットよりもアイスの方が飲みやすいかもしれません…
麦茶や緑茶、ルイボスティーなどとブレンドして『自家製〇〇茶』を作ってもみようかと思ています。(またドクダミを、摘んでこなくては!)
注意すること
どくだみを摘むときには、私有地に入って摘まないようにしましょう。
また、 排気ガスでの汚れが大きそうな道路脇で摘むのも、体への影響を考えると避けた方がいいですね。
割とどこでも見かける野草なので 自宅の庭にあれば摘んだり、どくだみの強い繫殖力に辟易して 庭での駆除に困る知人などがいれば お願いをして摘ませてもらうのもよさそう。
今回ご紹介した利用法は肌に直接塗布・散布したり、体内に取り込むものであるため、服薬中だったりアレルギーがあるとか 肌の弱い方は然るべき対処や相談の上で活用してください。
カリウムが多く含まれるので 特に腎臓機能や高カリウム血症での服薬がある場合は医師に相談してください。
まとめ
お茶としての利用法はよく聞きますが、私が『チンキ』を知ったのはごく最近でした。
友人がガラス瓶にアルコールで漬けたどくだみの花の写真を SNSにアップしていて「ハーバリウムみたいできれいだな」と思って調べてみたのがきっかけです。
独特の香りで敬遠しがちなどくだみですが、よく見ると白い花やハート形の葉がかわいいですよね。
花言葉は『野生』『白い追憶』
花を楽しみながら摘んで、色々と利用してみてくださいね。